飛蚊症とは
飛蚊症(ひぶんしょう)とは、視界に「黒い点」「糸くず」「虫のような影」が飛んで見える症状です。明るい場所や白い壁、青空を見たときに気づくことが多く、年齢とともに増える一般的な目の変化でもあります。
- 黒い点や糸のような影が見える
- 目を動かすとそれについてくる
- 明るい場所で特に目立つ

飛蚊症の主な原因
飛蚊症の多くは、加齢による「硝子体(しょうしたい)」の変化が原因です。硝子体は目の中を満たしているゼリー状の物質で、年齢とともに液化し、その中に濁り(浮遊物)ができることで影が見えるようになります。
良性の飛蚊症
- 加齢による硝子体の濁り
- 生理的な変化によるもの(40代以降でよく見られる)
- 治療の必要はないが、経過観察が望ましい
注意が必要な飛蚊症
- 突然、急に数が増えた
- 視界に光が走る(光視症)
- 視野の一部が欠ける・カーテンのように見えない部分がある
- 片目だけに強く症状が出ている
このような場合は、網膜剥離や硝子体出血など、重大な疾患の前兆の可能性があるため、早急な眼底検査が必要です。
当院で行う検査
飛蚊症を訴える患者さんには、以下のような精密検査を行い、緊急性のある病気を除外します。
- 視力・眼圧検査
- 細隙灯顕微鏡検査(硝子体の混濁確認)
- 眼底検査(散瞳して網膜の状態を観察)
- OCT検査(網膜の断層解析)
注意: 散瞳検査を行うと、4〜6時間ほどピントが合いにくくなります。
車の運転はお控えいただき、公共交通機関でご来院ください。
車の運転はお控えいただき、公共交通機関でご来院ください。
治療について
良性の飛蚊症は基本的に治療の必要はありません。時間とともに脳が順応し、気にならなくなることも多いです。
しかし、網膜裂孔や網膜剥離がある場合は、レーザー治療や手術が必要になる場合があります。早期発見が視力の予後を大きく左右しますので、気になる症状があればお早めにご相談ください。
よくあるご質問
飛蚊症は自然に治りますか?
良性の飛蚊症は時間の経過とともに脳が慣れ、気にならなくなることが多いです。ただし症状が悪化する場合は受診が必要です。
治療で飛蚊症を完全に消すことはできますか?
完全に消すことは難しいですが、硝子体手術で改善することがあります。ただしリスクを伴うため、適応は慎重に判断します。
市販の目薬やサプリで改善しますか?
一部のサプリに視機能維持の効果が示唆されていますが、飛蚊症を直接的に消すものではありません。