緑内障とは
緑内障とは、目と脳をつなぐ「視神経」が徐々に障害されていくことで、視野(見える範囲)が少しずつ狭くなっていく病気です。進行すると失明に至る可能性もあり、日本では中途失明原因の第1位となっています。
- 初期には自覚症状がほとんどない
- 視野の中心は最後まで保たれるため、気づきにくい
- 片目ずつ交互に補って見るため、進行が気づかれにくい

緑内障の原因と分類
最も一般的な緑内障は「原発開放隅角緑内障」で、眼圧(目の中の圧力)の影響や視神経の構造的な弱さが関係しています。他にも以下のような分類があります:
種類 | 特徴 |
---|---|
原発開放隅角緑内障 | 最も多いタイプ。慢性進行で症状に気づきにくい |
正常眼圧緑内障 | 眼圧が正常範囲内でも視神経が障害される |
閉塞隅角緑内障 | 急激に眼圧が上がることがあり、激しい眼痛・頭痛を伴う |
続発緑内障 | 他の病気や薬剤が原因で生じる |
当院の検査と診断
当院では、緑内障の早期発見・正確な診断のために、以下のような検査を組み合わせて行っています。
- 眼圧検査(非接触式・ゴールドマン圧平)
- 隅角検査(隅角鏡)
- 視野検査(ハンフリー視野計)
- OCT(光干渉断層計)による視神経繊維の厚み解析
- 眼底検査(視神経乳頭の形状評価)
治療法について
緑内障の治療の基本は「眼圧を下げること」です。一度障害された視神経は回復しないため、進行を食い止めることが最も重要です。
主な治療法
- 点眼薬による治療: 最も一般的。眼圧を下げる複数の薬剤を組み合わせる
- レーザー治療: 緑内障レーザー線維柱帯形成術(SLTなど)
- 手術治療: 点眼・レーザーで不十分な場合に行う(線維柱帯切開術、流出路再建術など)
緑内障は「早期発見・継続治療」がカギ
緑内障は「ゆっくり・静かに」進行します。初期には自覚症状がほぼないため、40歳を過ぎたら定期的な眼科検診をおすすめします。
また、一度診断された方は、進行を防ぐために継続的な通院と治療が必要です。自己判断で点眼を中止することは絶対に避けましょう。
よくあるご質問
緑内障は治る病気ですか?
現在の医療では「視神経を元に戻す」ことはできませんが、進行を止める/遅らせることは可能です。
視野が欠けるとどう見えるの?
初期は気づかないことが多く、進行すると「見えない部分」がじわじわ広がっていきます。視野検査で早期発見が可能です。
どのくらいの頻度で通院が必要ですか?
病状によって異なりますが、3ヶ月~半年に1度は定期的に検査を行い、点眼の効果を確認します。